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■2013年2月のコラム
  冬芽って、いつ開くの?
 2月になり、寒い日が続くなかで、春らしく暖かい日差しも感じられるようになりました。
もうそろそろ、植物の「冬芽」が「休眠」から目覚める季節です。
 この「冬芽」に大きく関係するのが、休眠誘導物質である「アブシジン酸」(ABA)と名づけられた植物ホルモンです。そもそも、植物はどのように「休眠」するのでしょうか?
ウメやサクラなどの落葉樹の多くは、夏から秋にかけて花芽はすでに作られます。
その後、日が短くなることで花芽は活動を停止し、葉でABAの前駆物質であるザントキシンが作られ、
芽に蓄積します。この蓄積されたABAによって生長は抑えられ、冬芽となって休眠するのです。
休眠芽は、冬の一定期間の低温にさらされることにより、ABAが減少し、一方で「ジベレリン」(GA)と
いう伸長や開花を促進するなどの作用がある植物ホルモンが増加し、両者のバランスによって「萌芽しても大丈夫な春が確実に来た!」ことを確かめたうえ、休眠が破られて冬芽がひらきます。
 秋に小春日和が一週間くらい続いても萌芽しないのは、このABAがしっかり蓄積されたままだから、ということです。
暖かい秋にサクラが咲いてしまう、俗に言う「狂い咲き」は、花芽に十分なABAが蓄積されていない頃に台風や乾燥、病害虫
などで葉が早いうちに落ちる「落葉」を経験してしまい、花芽が
春と勘違いして起こる現象なのです。
 また、近年公園などの修景でブームになった、真冬に咲く「アイスチューリップ」は、この休眠の仕組みを逆手に取った手法です。アイスチューリップの球根自体は普通のチューリップと同じものですが、この球根を冷蔵庫に一定期間入れ、「冷蔵庫=真冬」と
勘違いさせ、冷蔵庫から取り出し「春」と思い込ませる。
そうすると、真冬でもチューリップが咲くのです。
このように、植物ホルモンをコントロールすることで、自然には
見られない植物による演出を楽しむことができます。
 ウメやスイセンの開花を楽しむとき、
「あぁ、ABAとGAが拮抗して休眠が打破されたんだなぁ。」と・・・は、なかなか
考えないとは思いますが(笑)、少しだけ植物には、スゴイ仕組みがあるんだな、と思っていただければ。お隣で散歩する方に、薀蓄は語りすぎるとムードがなくなるので要注意!
 
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